【その7】スカウト章のはなし

世界スカウト章

世界スカウト章

 「スカウト章」とは、文字通りボーイスカウト運動を象徴する「しるし」です。世界のスカウト運動が結集する国際組織である「世界スカウト機構」(World Scout Organization)が定める「世界スカウト章」は、あらゆる国・地域のスカウト章の原型でもあります。

 スカウト章全体の形は百合の花をかたどります。百合は、スカウト運動が始まったイギリスを初めとするキリスト教文化圏では「愛」「神聖」を象徴する花であり、スカウト章に限らず、様々なシンボルに取り入れられています。三枚の花びらは、スカウトの「三つのちかい」を意味しており、中央の花びらはいつも変わらず北を示すコンパス(=人生の進むべき方向)を表します。また、左右の花びらのは、スカウトの目を表し、さらに星そのものからスカウトの野外生活を象徴します。そして、三つの花びらを結ぶバンドは、世界のスカウトの友情と結束を意味しています。

日本のスカウト章

日本のスカウト章

 日本のスカウト章は、世界スカウト章に、わが国独特の意匠を加えたものです。中央の八角形は神事に用いられた古代鏡です。日本の国を表すとともに、スカウトの偽りのない「まこと」の心を写し、「英知」「反省」を意味します。また、「そなえよつねに」のモットーが記された巻物は、常に微笑みを絶やさないスカウトの口元を、巻物の下に付く紐の結び目は、「日日の善行」のスローガンを思い起こさせるものです。

 日本のスカウト章同様、世界各国のスカウト章は、ほとんどが「世界スカウト章」をベースに自国の名誉を象徴する印を加えたものです。アメリカ合衆国であれば「イーグル」が、韓国であれば「虎」が加わります。

 このように各国のスカウト章は、皆それぞれの国や民族の誇りを表しつつ、共通してスカウティングの原点である「三つのちかい」に通じるデザインを守っています。

 2007年はB-P卿が20名の少年たちと最初のスカウトキャンプを行ってから、ちょうど100年目でした。これを記念してスカウト運動の発祥地イギリスで「世界ジャンボリー」や、世界中で様々なお祝いの行事が開かれました。  世界スカウト機構では、この期間中全世界のスカウトが、ユニフォームに着用できる共通のシンボルマークを定めました。そこには「ひとつの世界・ひとつのちかい」という言葉が、それぞれの言語でしっかりと記されており、スカウト章と同様に、同じ「ちかい」で結ばれたスカウトの、国境を超えた友情を表明しています。

(GL:たいま)

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